自社株式を信託財産とした経営承継信託

お客様のご状況
ご相談者は、株式会社Xの創業者であり代表取締役のA様です。A様は長年にわたり地域密着型の事業を営んでこられましたが、今後の体調や判断能力の低下が懸念される中で、会社の安定経営と自社株式の管理体制の整備を課題としておられました。
ご家族の中では、長女のB様が後継者的立場として経営に関与しており、そのお子様であるC様も将来的な事業承継候補として関係しておられます。一方で、A様ご自身の資産管理や、将来的な株式・金銭の承継をどのように行うかについては、法的整理がなされていない状況でした。
【家族構成】
・委託者・受益者:A様
・長女・受託者:B様
・孫・後継受託者:C様
・その他親族:D様、E様、F様、G様(親族関係あり)
【財産状況】
・信託財産:株式会社Xの普通株式13,070株
・信託金銭:10万円
・その他:残余の4,730株については、A様からB様およびC様へ毎年の暦年贈与を継続予定
当事務所からの提案&お手伝い
■状況の整理
当事務所では、会社経営の安定性を確保しつつ、委託者A様の意思を反映できる体制を構築するため、家族信託スキームの設計を提案いたしました。
・A様の判断能力が低下した場合でも、経営が停滞せず、B様が株主としての議決権行使・配当管理を継続できるよう設計。
・株式議決権の凍結リスクを回避し、会社経営の継続性を確保。
・信託終了後の残余財産の帰属を明確化(株式はB様へ、金銭は相続人協議による)。
・信託契約により、信託口座を開設し、金銭管理・配当金の受領を体系化。
■具体的なサポート内容
・家族構成・株式数・議決権比率を精査し、信託対象株式数(13,070株)を設計。
(B様・C様で議決権の3分の2以上を確保できる構成とした。)
・公証役場と調整の上、信託契約公正証書の作成を支援。
・信託契約書案の策定、公証人立会手続き、信託口座開設支援を実施。
・信託終了後の残余財産帰属条項および後継受託者の選任条項を明確化。
・将来的な暦年贈与を継続できるよう、信託外財産の扱いも併せて整理。
結果
・A様の判断能力に変化があっても、B様が受託者として自社株の管理・議決権行使・配当受領を行える体制が整いました。
・株式の議決権が凍結されるリスクを防止し、株式会社Xの経営安定化に寄与。
・信託終了時には、株式がB様へ確実に承継されるよう明文化され、将来の株式承継トラブルの回避にもつながりました。
・公証役場・金融機関との連携により、信託契約の締結から信託口座開設まで円滑に実施されました。
まとめ
この事例では、社長であるA様が元気なうちに準備をしたことで、もしもの時もご家族が困らないしっかりとした仕組みができました。
「これは会社の社長さんだけの話でしょ?」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。 大切なご自宅や、老後のための預貯金をお持ちの一般の方にこそ、知っていただきたいお話です。
「認知症になったら、銀行でお金がおろせなくなる」 「実家を売りたくても売れなくなってしまう」
そんな困りごとが起きないよう、今のうちにご家族と話し合っておくことが何よりの安心につながります。
当事務所では、難しい専門用語は使わず、ゆっくり丁寧にご説明することを大切にしています。「うちは会社じゃないけれど、大丈夫?」という方も、世間話をするようなお気持ちで、まずは無料相談へお越しください。













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